42人が本棚に入れています
本棚に追加
…………それにしても、この二つ名格好良くない?
こんな素晴らしいネーミングセンスの持ち主には、是非とも会ってみたいものだ。
原稿用紙10枚くらいつづって感謝の意を伝えたい。
……取りあえず今はアイリの祝福の言葉に対する感謝をすべきか。
「ありがとう」
返事をして立ち去ろうとすると、アイリは思い出したように「あっ!」と声を上げた。
「そう言えばお姉ち……じゃなくて、マスターが呼んでたよ!」
「マスターが?分かった」
今の言い間違いで気づいたかもしれないが、受付であるアイリはマスターの実の妹だ。
受付の仕事はその姉に頼まれたもので、マスター曰く『身近に知り合いがいるとやる気がでるぜぃ!』という訳らしい。
……それにしてもマスターは俺に何の用だろう?
マスターはギルドマスターの略で、その人物は国王から直接指名されるギルド一の実力者だ――――という身も蓋もない噂が立っているが、実際は違う。
先日俺のSランク昇格と同じくらいの時期に当時のマスターは亡くなった。
その数日後にSランクのメンバーが収集され、次のマスターを決める会議が開かれた。
そこで『これで将来安泰だよ~』と言いながら立候補したのが現在のマスターだ。
まあ。簡単に言ってしまうと。
ある程度の実力があれば誰でもOKだぜ、いえい。って事。
最初のコメントを投稿しよう!