京極の“京”って“凶”の間違いじゃね?

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顔面に迫る拳。 高橋くんの焦る顔が視界に映る。 え、え、ヤバいヤバい。 ――バシイッ 俺は咄嗟に高橋くんの拳を横から叩いて軌道を変えた。 そのおかげで 「せ、セーフ…」 顔の真横を通過していった。 ギリギリセーフ! いやマジあぶねー! 高校時代、テニスやってて良かったぁ! 前衛で良かったぁ! ボレーの練習で動体視力が鍛えられてて良かったぁ! と、オレは歓喜に震えていたが 「……お前」 「いっ――!?」 京極は俺の顎をグイッとつかみ、顔を近づける。 首痛ぇ。 「やっぱり前のはまぐれじゃなかったな」 「まぐれだけどな」 コイツに――京極に気に入られてしまった理由は コイツの攻撃を避けてしまったから。 避けたら気に入るんだってよ。ってことはプロボクサーとかは即お気に入りになれるな。
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