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俺が考え事に耽っていようが、お構いなしに顔を近づける京極。
「二回もまぐれって言うつもりか?」
「だから二回ともまぐれなんだよ、まぎれもない事実っつってんだろ」
本当にまぐれなんだよ。
前衛で動体視力と反射神経が鍛えられただけなんだよ。
あと数センチで唇どうしが触れる、というところで
グイッと、俺は腕を引っ張り上げられて立ち上がる。
そして肩を引かれ、誰かの胸板に顔を押し付けられる。
「…大丈夫っすか」
「いや、助かった。大丈夫だ。ありがとう高橋くん」
正体は高橋くんだった。
いや、もうマジでカッコいいよ高橋くん。
人間、見た目は関係無くカッコ良くなれるんだな。
京極なんか、顔が良かろうが何だろうが、悪魔だ。
タチの俺を襲うなんて変態だ。
変態の中の変態だな。
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