教授

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ボーン ボーン ボーン ボーン ボーン ボーン 突然鳴り響いた柱時計の音で、不思議な女性の瞳に引き込まれかけた意識が戻ってきた。 グリュックと呼ばれた女性は二人分の紅茶を淹れると、教授と僕に一礼してすぐに部屋を出ていってしまい、そして入れ変わりに沈黙が訪れた。 カッチッカッチッカッチッカッチッカッチッカッチッカッチ……。 先程までは気にならなかった柱時計の秒針の音が妙に耳につく。 ここにきてやっと室内を見渡してみる。 教授のデスクはマホガニーとかいうヤツかな? 僕が入ってきたドア(困ったことにいつ、どこから入って来たのか全く覚えていないのだけれど)以外の面は全て分厚い書物で埋め尽くされた本棚で、もちろん窓一つない。 「ああ……君には少々暗いかね?」 そう言うと、ボソリと何か呟く教授。 突如室内に淡い光が灯る! 驚く僕に「うむ、そういうものだ」と納得顔の教授。 呆気にとられながら、ふと今更、本当に今更だけれど疑問が頭を過った。 突然質問を始めた僕に、 「おいおい……そんなに一度に質問をされても答えられんよ……。 私が答えられる事であれば教えよう、私は教授だからな。 であるからして、少々落ち着き給えよ」 と静かに抑制する教授。
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