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「ここは何処か……だと?
ふむ、簡単だが難しい質問だな……。
何? どういう事かだと?
まぁ落ち着いて聞き給え。
此処は私の館だよ……私にとっては簡単な答えだ……。
しかしながら、君に説明するとなると少々難しいな。
何故ならば、此処は此処であって、何処かでは無いのだ。
云わば世界の狭間と言おうか?
ん? パラレルワールドか、だと?
いや、それは平行に存在する何処かであって、また違うな……。
異次元とも違う……。
現実世界がプラス領域、虚数空間がマイナス領域とするならば、その狭間……つまり何処でも無い……ん? もう良いだと?
まぁいた仕方ない。
それで、帰る方法はあるのかだと?」
教授は両手をデスクの上に組み、その上に顎を乗せ、顔をほんの少しだけ顰めて答える。
「うむ、それはあるのだろうな、君が帰る定めにあるのならば……。
むう? 方法自体は解らんよ。
何せ君がどの世界の何処から来たのかが、私には解らぬ故な……。
そういう類ならば私よりも自らの意思で此処を訪れる客人に聞いた方が良いだろうな。
ん? 何時来るかだと?
他者の意思を汲める力は無いな……無論、未来が視得る訳でものぅ」
カッチッカッチカッチッカッチカッチッカッチ……。
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