土方~想い先の恋の道~

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――知れば迷い      知らねば迷わぬ          恋の道―― 俺は久しぶりに自分の作った句を見返していた。 こうやって句集を見返せば、多くのことを綴っていた。 「土方さーん!!失礼しまーす!!」 声が聞こえたと思った瞬間、突然戸が開いた。 「!!!―‐ッ!と、突然なんだっ!勝手に入ってくんじゃねぇええ!!!」 入って来た奴は大袈裟に両手で耳を塞ぐ。 俺は机に出していた句集を急いで閉まった。 「なんでそんなに怒鳴る!?耳がおかしくなるわ!」 「うるせぇ!!…何の用だ。」 俺の顔はたぶん赤い… それがこいつに気付かれないといいが… 「何の用って、仕事の話に決まってるでしょう?」 こいつには山崎と一緒に監察の仕事をやっている。 どうやら潜り込んでいた遊邸で収穫があったようだな。 ふと顔を見ると、監察の仕事の時の顔になったのが分かった。 こいつは仕事となると変わる…その変わり様に俺は興味を持ったのだ。 「土方さんが目を付けたあいつら…黒だったよ。」 「やはりな。」 目の前の女は真っ直ぐ俺を見た。俺もその目を反らすことなく見つめ返す。 「詳しいはな「それは山崎さんから聞いてください。」…はぁ!?」 「私疲れたんで休みます!それじゃっ!」 俺は部屋を出て行こうとするこいつの腕を掴んで引っ張った。 そのまま俺の中にすっぽりと収まるかたちになった。 ・
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