29人が本棚に入れています
本棚に追加
今日はいい天気だ。
学校の屋上に心地よい風が吹く。
今は放課後…学校では部活動を行っていて運動部の掛け声が聞こえてくる。
「やっぱりここにいた。」
「…総司か。」
俺は屋上のフェンスから“ある場所”を見つめたまま、返事を返した。
総司が微かに笑ったのが雰囲気で分かった。
総司は俺の隣にやって来て、同じ様にフェンスの向こうを見た。
「俺に用があって来たのだろ?…何の用だ。」
一向に言葉を発しない総司に言葉を投げ掛ければ、何やら妙な目で俺を見た。
「別に…用って程の用でもないんだけどね。」
「…………。」
俺は無言。総司はそんな俺にため息をついた。
「そんなに気になる?あの子のこと。」
総司のいう"あの子"とは俺が見ている弓道部に所属している女子だ。
俺は先ほどからずっと弓道場を見ていた。
・
最初のコメントを投稿しよう!