29人が本棚に入れています
本棚に追加
「別に彼女を見てるわけじゃない。」
「僕はどの女の子か言ってないよ…やっぱり特定の子見てるんじゃない。」
「!!……総司、何が言いたい。」
俺は総司に視線だけ移した。
軽く殺気を含んだ視線を向けられている本人は、意に介した風もない。
「こんなストーカーじみた事してないで、気になるなら彼女と話でもしてみればいいのに。」
突然の発言に戸惑いを隠せなかった。
ス、ストーカー…
俺は別に彼女に特別な感情など抱いては…………いない。
断じて!ストーカーなどでは…!!
「ストーカーなどではない!!弓道とは興味深いものだ…だから俺は、観察していた。…それだけだ。」
「ふぅ~ん…そうなんだ。まぁ、そういう事にしといてあげるよ。」
そう言った後、総司は何事もなかったかのように屋上から出ていった。
何だったんだ…
彼女と話を…か。
総司の言葉を考えながら、俺は家へと帰るため屋上から出たのだった。
・
最初のコメントを投稿しよう!