菓子争奪録

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ーー執事視点ーー (この着信音…どこから…) 未だに部屋の奥から鳴り響いている。 (こんな着信音…家にはないし…ハッ!) 執事は気付いた…今日は一人いないことを… (まさか…あの青年が家に…) そう思うのも不思議ではない。 いくら壁が高くても上には入ることのできる空間はあるし、実際に家の中から着信音が聞こえてくるのだから… 「お前ら少し玄関の前で待っていろ。」 そう言うと執事は玄関の扉を閉めて、着信音が鳴っている部屋へ急いだ。 (もし、奥様に危害でも加えられたら…) そう思うと胸の奥が苦しくなる… (一刻も早く。) そして着信音のなる部屋に着いた。 応接室だ。 「はぁはぁ…」 執事は息を乱しながらも応接室の扉を開けた。 しかし、そこには誰も居なかった。ただ着信音が鳴っているだけ… (え?…) 執事は驚いたが、とりあえず音のする方へ向かった。 そこはソファーの隙間で、そこには携帯電話がさしこんであった。 (何だ…これは…) 執事に嫌な予感が走った。 (奥様!) 執事は走った。 応接室の真逆にある奥様の部屋はわかりやすい…直ぐに見つけた。 そこには… 「やぁ、執事さん。」 孝とアルカリが扉の前に立っていた。
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