菓子争奪録

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「どうして…」 「一から説明しようか?」 「そんなことはどうでもいい。そこを通せ!」 「おやおや…焦りすぎて判断能力が鈍ってるのかな?こっちには青年アルカリがいるんだぜ…老人さんよ。」 「クッ…」 「まぁ結城が戻って来るまで暇だからカラクリについて説明してやるよ。」 そう言って孝は語りだした。 結城は奥さんと会っているらしい。 「まずは着信音からかな…あれは応接室にあったろ?…昨日しこんでおいたんだよ。それを外で待機していたアルカリに鳴らして貰った。合図は『ハッピーハロウィーン』だ。お前も目の前で聞いただろ?」 「次に何故俺達がオートロックの部屋に入れたのか。まずドアの鍵ノブを回すと出たり引っ込んだりするやつあるだろ。あれが壁にはまって鍵が閉まるわけだが…あの壁にある穴を強力なテープで塞がせて貰った。それだけで鍵は閉まらなくなるタイプだったしな。そこら辺の情報は情報屋に感謝だぜ。」 「いつの間にテープを!?」 「あんたが着信音に気付いて振り返った一瞬だよ。そのための着信音だよ。あんたはこう思ったはずだ。『青年が家にいるのでは?』そのためにアルカリを待機させた。そしてあんたはオートロックなのをいいことに鍵をかけたことを確認しなかった。オートロックへの致命的過信だな。そして開いているとも知らずに玄関を放置した。楽勝に入れたよ。」
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