19人が本棚に入れています
本棚に追加
「そういう事にもなり得るな。
FBIのクソったれエリート様も介入してくるだろうが、あくまで俺達のシマ(管轄)で起こった事件だから、俺達が解決する必要がある」
「クソったれエリート様に任せりゃいいんですよ。
さっぱり手懸かりも解ん無いってのに」
ジェスが嫌そうな顔で答えようとするのを、マッカランは片手で制止して。
「きちがいブルドックのお前さんの出番だな。
こないだお前の為に書きまくった始末書の埋め合わせをしろ。
ロニーが最後に目撃されたのは、ヒルトンだそうだ。
早速現地へ迎え」
大量の始末書を書かせてしまった自分の弱みを出されたら、それ以上反論出来ないジェスは
「イエッサー。
クソまずい朝飯どうも」
と吐き捨てながら机に置かれた、ロニーハウエルのメモと写真をジャンパーのポケットにしまい込み、署長室を出て行った。
ヒルトンホテルへと向かいながらジェスは、手懸かりが少なく、また犯人の見当も付かない事件に遭遇した事を呪いながら、取り敢えず腹ごしらえをするべく、いつも行きつけのホットドックの屋台へ先に寄る事に決めた。
【5番街 セントラルパーク】
NYに生きる者達の憩いの場である、広大な緑の公園は、ジョギングを行う者や犬の散歩をする者、果てはジェスには理解出来ない緩慢な動きで太極拳を行う者等、朝方という事もあり平和な風景を醸し出している。
ジェスはあくびをしながら、行きつけのホットドックの屋台に辿り着いていた。
「らっしゃい旦那」
スキンヘッドの側頭部に蛇のタトゥーを入れ、両腕にも様々なタトゥーを入れた男は、イカツイ顔を綻ばせてジェスにいつもの様に挨拶を行った。
「いよぉ~商売は順調か?
いつもの頼むわ」
ジェスは屋台の前の椅子に座り注文を告げた。
「マスタード抜き、ケチャップたんまりなフレドリックスペシャルドック。
暫しお待ちを」
とフレドリックはホットドックの調理に取り掛かり始めた。
最初のコメントを投稿しよう!