第1章 リアル

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(あたしは、精一杯努力してきた……。プライベートだって犠牲にして……。 同年代の子が、彼氏と楽しく遊んでいる時に、あたしは自分の夢のために精一杯努力してきた。自分の力も出しきった。それなのに、あたしよりも、すでに二人も演技が上回っている人がいた? あたしは一体何なんだろう!?中途半端が一番キツいよ。アイドルには確かになることが出来た。でも、それがどうしたというのだろう。 せっかくアイドルになれても、活躍出来なきゃ意味がない。むしろ彼氏と楽しく、二度と訪れない10代最後の夏を満喫している同級生達の方が、充実した人生を送っていると言えるのではないだろうか。 本当に、あたしは女優の素質があるのだろうか? 坪倉さんは事務所で努力を続けろと行っていたような気がしたが、才能がないのに続けていても、何の意味もないのではないだろうか?) 面接会場の廊下を歩きながら、愛の頭の中を、マイナス的な感情がぐるぐると駆け巡っていた。
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