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(もし、この紙を丸めたボールがゴミ箱に入ったら、あたしは芸能界で成功する。芸能界でトップに立つ)
愛は軽く目をつぶり、心の中でそう強く念じながら、紙くずのボールをゴミ箱に向かって放り投げた。今まで懸命な努力してきた想い、悔しさを味わった時のこと、様々な感情をボールに込めて、愛はおもいっきり投げた。
かなりの距離が離れていたにも関わらず、放物線を描きながらボールは見事、バスケのスリーポイントシュートのように、ゴミ箱の中にスポッと吸い込まれて入った。
「え!?うそー!?やった!!」
ボールがゴミ箱に見事入ったことで、単純に浮かれていた愛であったが、すぐに彼女を虚しさが襲ってきた。
(いくら距離が遠いからって、これが一回入ったぐらいで芸能界のトップに立てるなら誰も苦労しないよな……)
彼女は、自虐的に苦笑いを浮かべた。
(まあ、一回ならよくあることかもしれない。でも、この距離でもし三回連続入ったら……。あたしは投げることがそんなに得意じゃない。だから、それってある意味奇跡なんじゃないだろうか?)
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