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愛の三度目の挑戦は、完全に失敗するかに思われた。
しかし運命は、愛が失敗することを許さなかった。
右に大きくそれた紙のボールは、突然階段から歩いてきた、眼鏡をかけてスーツを着た、まだ大学を卒業したばかりぐらいの若い男性の体にあたって、ゴミ箱に入った。
男性が、驚いた顔で愛を見つめている。
当然の反応である。
おそらく、男性はビルの中に入居しているどこかの会社の社員なのだろう。
「も……、申し訳ありません。ま、まさか、人が来るとは……」
慌てて愛が、若い男性に頭を下げた。
「い、いえ……、こちらこそ……」
顔を引きつらせた、ぎこちない笑みを浮かべながら、若い男性社員は愛の横を通り過ぎていった。
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