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先程の世界地図の資料を、それらの一番上の見えやすい位置に置き直すと彼女は説明を始めた。
「まずこれ。ここの緑の円は、あなたがクラス委員長に就任した時にクラスメイトに与えた影響の規模を表している。影響というのは、あなたがクラスメイトに『信頼されたい』と願ったこと、そして実際にそれを叶えたことで起きた心境の変化のことよ」
彼女が指した場所を見ると、確かに日本の辺りにいくつもの緑の円があった。
「そしてあなたがもたらした暴動がここの赤い円」
その赤い円はイギリスの南部にあった。先程の緑の円と比べると一回りくらい大きい。
「この暴動はイギリスの大学同士で起きた乱闘事件。そこの地方で交流関係がよくなかった二つの大学の片方が、相手の大学に集団で火炎瓶や空気銃などを持って押しかけ、教員、生徒など合わせて五十二人に負傷を負わせた事件」
彼女の話をまとめるとこの事件は、被害を受けた大学にそもそものきっかけがあるということだった。
被害を受けた大学をA、逆をBとすると、A側の大学の教授がBの大学へ講義に出向いた際、Bの生徒を罵倒し、Aと比べ全てが劣っていると言い放ったらしい。
事実Aは偏差値や財力、ほか社会貢献度においてBよりも優位に立っていた。(勿論全てにおいて劣っている訳ではない)
その教授の発言でBはAに謝罪を要求したのだが、Aはその事実を全く認めず、さらにはその大きな権力を使って報道機関にBの批判記事を載せるようにまでしたことによって対立関係が生まれてしまったということだ。
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