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◇◆◇◆◇◆
それからはずっとうわの空だった。授業が始まっても小林さんの言葉が脳内をリピートして止まらなかった。入学して以来他人に言われた言葉で、ここまで自分を否定された言葉に出会ったことがなかった。感謝されることあれど、文句を言われたことなど一度も無い。
「他人を見下しているわよね」
その一言が針のように胸を刺して痛い。自分が今まで闊歩してきた世界に亀裂が入っていくようなきがした。
「虚構」だと彼女は言った。ならどこまでが? いつから? 僕の世界は偽物だったのか? 自問ばかりが頭を巡り一向に理解へと辿り着かない。頭がどうにかなりそうだ。
もう一度小林さんと話そう。
耐えきれず僕は小林さんの座る席へと向かった。それが僕の世界、いや、虚構、現実、それら丸々変えてしまうことになることさえ知らずに。
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