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この高校に入学してから五ヶ月と二週間。一学期からクラスの委員長を引き受け沢山のクラスメイトからも信頼されるようになった。やがては違うクラスの生徒とも、いや、上級生や教師からも好かれるような人物になるのがこの一年の目標だ。性別、年齢、家庭環境、さらには人種の違いすらを越えて、僕は人間そのものを愛したい。
そう思っている。
でも何故かクラスで彼女だけが僕を信用していないようなのだ。
愛とは求めれば与えられるものではないのだろうか。
◇◆◇◆◇◆
十分ほど歩くと目的地のファミレスへと到着した。平日の午後四時過ぎということでほとんど客がいない。閑散とした店内を見回し、一番奥の窓際席を僕らは指定した。
「なに頼もうか」
「あなたと同じものでいいわ。選ぶの煩わしいから」
「僕アイスコーヒーを頼むけど、小林さんはジュースとかがいいんじゃないかな」
「構わないわ。アイスコーヒーをお願い」
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