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「空愛か‥
なかなか好みな名前だ」
「はぇ?!」
「俺は洸様でいいぞ?」
「えっと‥
一応、タメだし洸くんでいいかな?」
「ふぅーん?
まあ、別にいいけど‥
お前は茜と付き合ってんの?」
「違うよ。
藤ちゃんが勝手に好きとか言ってるだけであって‥
私は別に好きな人がいるのよ」
「ふぅーん?
じゃあ、今はフリーだな‥
なら俺も一目惚れって事で」
「えっと‥
それはつまり?」
「空愛に惚れたって事で、ちゃんと考えること。
分かったな?」
「えっと、でも‥」
「じゃあ、まずはメールからだな!
とりあえず教えとけ」
洸が俺様口調でそう言うと、空愛はポカンとした顔で携帯を差し出した。
「よし、それじゃ‥
俺は部活だから夜な?」
「えっ‥
あ、はぁ」
空愛は呆気に取られてそう応えると、洸はニッコリ笑ってご機嫌に去っていった。
「な、なんか‥
圧倒的な感じだったね?」
「ソラ」
「ん?」
「何惚れられてんの!
俺の告白もあんのに、あんな意味不明な奴とメール交換してんな」
「だって、なんか呆気に取られて‥」
「ソラの阿呆!
俺も今日からイチャツいてやるからな」
「はぁぁ?!
藤ちゃんは友達!
それ以外はナシ」
「バカ!
勝手に決めるな」
二人が第二ラウンドを開始しようとすると、今度は可愛らしい声が聞こえた。
「あ、あのぅ‥
ちょっと宜しいかしら?」
「えっ‥
あ、可愛い女の子!」
「私、鳴海と言います」
「鳴海ちゃん?
名前も可愛いね!
何か私達に用事かな?」
「あ、あのですね‥」
「コイツ、さっきっからアンタと友達になりたいってさ‥」
「ちょっと、龍!」
「鳴海がモタモタしてるから、通訳しただけだろ?
友達になりたいんじゃねーのか」
「そ、それはなりたいですが‥」
「うん。
いいよ?」
「えっ‥
いいってホントですか?」
「私もお友達欲しいから、鳴海ちゃん仲良くしてくれる?」
「良いんですか?」
「もちろん。
龍くんも宜しくね!」
「うん。
宜しく、ナナちゃん」
「ナナじゃないけど?」
空愛が疑問げにそう言葉を返すと、龍はフッと笑ってこう説明する。
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