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「どれどれ?」
「あった?
何組?」
「三組だな。
ソラと同じクラスだぞ!」
「藤ちゃん、嬉しい?」
「嬉しいに決まってる。
つーか、ソラは嬉しくねーの?」
「超、嬉しいに決まってるよぉー
宜しくね藤ちゃん」
「お、おぅ。
こっちこそ、宜しくな」
茜がニヤッと笑ってそう言うと、空愛はニッコリ笑って歩き出す。
『つーか、可愛いな‥
やっぱり俺のもんにしとくべきか?』
茜がそんな事を考えていると、空愛が人の波に押されて倒れそうになった。
「ソラ!」
「うわっ?!」
空愛は地面に倒れると感じ、目をぎゅっと瞑ると予想外に衝撃がなかった。
「うっ?」
「‥いてぇ」
「あっ!
すみません、ありがとうございます」
「退け」
「は、はい」
空愛は下敷きにしてしまった男から退くと、ようやく顔が見えてイケメンだと思った。
「すみませんでした。
お怪我ありませんか?」
空愛は心配そうにそう言うと、男の体に怪我がないか触ろうとする。
ペシッ
「触んな」
「あっ‥
ごめんなさい」
空愛が叩かれた手を擦りながらそう謝ると、男は無愛想な顔で立ち去った。
「ソラ!
大丈夫だったか?」
「う、うん‥」
「怪我はないか?」
「ないよ。」
空愛がニッコリ笑ってそう言うと、茜も安心したように微笑む。
「ソラ、手繋ご?」
「えっ?」
「また転んだらダメだし、一応」
「う、うん‥
ありがと藤ちゃん」
空愛はニッコリ微笑むと、茜の手をぎゅっと握り締めて校舎へ移動した。
その頃、城宮大雅は無愛想な顔をして二階へと上ると空愛が触った左手をぎゅっと握る。
『何だあの女‥
俺を見て怖くなかったのか?
にしても、触られてビックリしたのは初めてだな』
大雅が立ち止まってそんな事を考えていると、忍び足で近づく者がいた。
「たぁーいがチャン!
おはよぉー」
「あ?」
「怖いよそのお顔?
せっかくイケメンなのに」
「佑、絞めるぞ」
「大雅、何か顔が赤いよ?
何かあったの?」
「別に何も」
「ブゥー
教えなさい、大雅!」
「佑は俺の母親かよ?」
「大雅が心配だから聞いているんだよ!
ちょっとは俺にも頼ろう?」
「気ぃ向いたらな」
大雅はフッと笑うと、スタスタとモデルみたいに廊下を歩いていく。
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