三番街の処刑人

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奴ら--ダークソウルが、今回の事件に関わっている確信は得られた。しかしそうなると、ひとつ疑問が残る。 奴らは一体どのようにして、ギルドの眼を逃れていたのだろうか。 これまで、ダークソウルがギルドの探知網から逃れたことは一度もなかったし、そもそも奴らは隠れるなどという考えを持ち合わせていない。 ダークソウルとは、本能のままにヒトを喰らう悪霊なのだから。 とはいえ、確信は得られた。一方で、まだ不可解な点もいくらか残っているが-- --それは、直接聞くまでだ 楝はそのまま踵を返すと、人気のない路地へと入り転移で現場を後にした。 その後寮の自室へ戻った楝は、ダークナイトの証である黒コートを羽織り、フードを被ってギルドへ転移した。 転移先はもちろん、奥村の居る統括責任室の前だ。 直接室内に転移できれば、このような一手間も必要ないのだが、特務規定で決められているので、面倒だが従うしかない。 小さく呼吸を整え、3度扉を叩く。 すると、扉の向こうからいつもの聞き慣れた声が聞こえてきた。
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