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「……わかりましたから、まずは頭に乗せた袋を退けて下さい」
「あ、悪い悪い」
そういうと、雄基は袋を退けてくれた。
雄基は、正体を知りながらも楝に対して気さくに接してくれる、数少ない人物だ。
それについては、楝も内心感謝している。
しかし妹弟子がからかいやすいのか、こうして出会い頭に弄られるのが最早お約束となっている気がする。
不機嫌になる楝を見て、雄基は小さく笑う。
そして買ってきた焼きそばパンを袋から取り出すと、「ほら」といって楝の額に当てた。
彼女自身は、相変わらず不機嫌なままだがだったが、小さく笑う雄基に「……どうも」と言いながら、焼きそばパンを受け取る。
それを確認した雄基は、袋に入っていたもう一つの焼きそばパンを取り出し、食べ始めた。
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