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「 ……それで?今まで復讐のこと以外まるで興味のなかったおまえが、どうしてまた急に、『連続殺人事件のことを教えて欲しい』なんて言い出したんだ?」
「実は……」
楝は、これまでのことを雄基に説明した。
一昨日、三番街で殺人事件現場遭遇したこと、その犯人と思われる人物『三番街の処刑人』についての都市伝説。
一通り話終えると、雄基は感心したと言わんばかりの表情を見せた。
「成る程ね。しかし、三番街の処刑人の都市伝説なんて、よく調べられたな。どこで手に入れたんだ、そんな情報」
「……企業秘密です」
流石に友人の良隆に聞いたなど、口が裂けても言えない。
誤魔化すように、楝は食べかけの焼きそばパンを、口に運んだ。
「ま、その辺りは良いか。楝は、連続殺人事件の事をどこまで把握している?」
「一応、世間的に出回っている程度の情報は、一通り」
「なら、それ以外の情報になるか……。まず、今回の事件は警察主導で捜査が行われている。警察側は、『ヒトが犯人である』ことを前提に捜査しているようだ」
殺人事件が起きた場合、まず警察側がヒトによる犯行として捜査を行う。
しかし、もしその過程でダークソウルの存在が疑われた場合、ギルドは特例権限により警察の捜査に介入することができるのである。
おそらく今回の事件は、後者が現段階でなかったので、警察の管轄下で行われているのだろう。
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