三番街の処刑人

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「……実はここだけの話だがな。今回の事件、ギルドはダークソウルの存在を疑っている」 雄基の思わぬ一言に、楝は彼の顔をみた。 彼は、僅かに眉を潜めている。 「どういうことです?だって雄基さん、さっき『警察側は、“ヒトが犯人である”ことを前提に捜査している』ってーー」 「これまで見つかった遺体の状況が、ダークソウルに襲われた遺体の様子と、明らかに似ていたんだよ」 通常ヒトが殺人を行った場合、犯行に使われた凶器のほとんどは、包丁や鈍器といった日常にあるもの、或いは比較的入手しやすい銃がほとんどだ。 近代革命以前は、剣やら刀やら刃物系による殺人が多かったらしいが、現代においてそのようなものを所持できるのは、精々ハンターくらい。 秘術が一般的になったここ十年くらいは、秘術による犯行も多いが、それでもダークソウルの介在があったかどうかは、遺体の状況をみれば直ぐに判別できるのだ。 にも関わらず、現状事件は警察のみで行われている。 何か、ギルドが介入できない理由でもあるのだろうか。
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