三番街の処刑人

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「遺体の状況からダークソウルの存在を疑ったギルドは、直ちに調査部に調査を行わせた。実際に現場にも赴いてな。でもーー」 「……でも?」 「ダークソウルの存在を感知する探知機が、反応しなかったんだ」 楝は耳を疑った。 探知機は、ダークソウルが出現した際その位置を特定するためギルドで開発された装置だ。 ダークソウルは基本的に神出鬼没。 楝の様に、ある程度ダークソウルの痕跡を辿れるならば話は別だが、痕跡となる力の残滓を常人が捉えることは不可能に近い。 その為、確実に対象を討伐するには、ある程度正確な位置情報が必要となってくる。 そこでギルドによって開発されたのが、例の探知機だ。 この装置は、ギルド加盟国の各集落に必ずひとつ備え付けられており、ダークソウルの力を感知したら、その位置をギルドの管制部へ送信している。 特にダークソウルの出現率が高い都市部では、街の至る所にこの探知機が備え付けられており、それはこの神楽とて例外ではない。 しかし今回調査部が持参していた探知機は、おそらく調査部専用に作られた、管制部のものより高性能なもの。 それが、反応を示さなかった。 つまりそれは、この事件とダークソウルの因果関係がない、ということを意味している。
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