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この街は、闇が集いやすい。ヒトも、当然奴らも。
しかし一方で、古くからこの街で暮らしてきた人々も大勢いる。
どれ程のことが起ころうと、その事実だけは変わる事はないのだろう。
楝はそれを噛み締めつつ、一昨日前に訪れた事件現場へと脚を運んだ。
事件現場は一昨日前と変わらず、『立入禁止』のロープが張られ封鎖されていた。
しかしある程度の落ち着きを取り戻したのか、一昨日のような人集りはできていないようだ。
楝は現場の状況を詳しく見ようと、ロープの手前まで移動しようとした。すると--
「全くしつこいな、あんたらも!」
突然、低い怒鳴り声が聴こえてきた
「この事件は、警察機関の管轄だ。あんたらギルドが、捜査に口を出す権限はない」
「それはこちらも承知している。だからこれはあくまでギルド側の調査であり、そちらの捜査に介入するつもりは--」
「それを介入しているっていうんだよ!ダークソウルだかなんだか知らんが、前回の調査でそちらはオカルト性が実証できなかっただろうが。それなのにしつこく調査をさせろなど、捜査の邪魔にしかならん!帰れ!」
よく見ると、タバコを咥えた中年男性がギルドの調査員と思しき数人と言い争っていた。
雰囲気からして、おそらく男性の方は今回の事件を担当している刑事のひとりなのだろう。
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