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まず、彼の学校生活は誰も聞いてはいない挨拶から始まる。
「おはよう…。」
案の定、クラスメートの話し声にかき消され、誰にも挨拶は聞こえていない。
まぁ誰かに挨拶をされてもこちらが驚いてしまうのだが。
高校生活を約一年間続け、やっと手にした一番後ろの窓際の席。
この席に向かって、教室の後ろのドアから真っ直ぐ進む。
席に座ると窓から差し込む光が何にも遮られずに光也に照らされた。
「……スポットライト…。」
聞こえて欲しくもない独り言はまたも話し声によってかき消されたが、どうしても何かを期待してしまう。
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