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10章 孤独×それぞれの夜
「…死ぬかと思った。」
朝の一件について問いただした代表は狂いに狂っていた。
「………うふ…うふふ…あはははは!!」
「あの…だ、代表?」
「あははははは!!」
だ、駄目だ、ぶっ壊れた。
そのまま家中を追いかけ回された。
そんな中、ナナはというと、
「ああ、楽しそうー♪私も混ぜろ、混ぜろー♪」
何、言ってんだよ。
はぁ~。
なんか疲れたなぁ。
そう感じてから意識が飛ぶのにそう時間はかからなかった。
-その頃、代表はと言うと、
「はぁ~、シンさんはどうやら私のことを忘れておられるようですわ。私のことを代表だなんて他人行儀な呼び方を。」
「ハァ、ハァ……待ってください……シンさん……」
「もう、仕方ないなぁー。チーちゃんは運動不足なんだから。はい、手をつなげば離れないでいいでしょ。」
シンは代表-チユにとって憧れの相手であり初恋の相手でもある。
財閥の娘として生まれたチユは小さいときから独りだった。
母は自分を生んだ直後体調を崩して他界した。父は自分のことよりも仕事に力を注いでいた。
父と過ごす時間よりも家庭教師と過ごす時間の方が圧倒的に多かった。
そんな自分をシンはいつも外へ連れて行ってくれた。
そのたびに、散々シンは怒られたがそれでも笑顔で
「迎えにきたよ。チーちゃん。」
と、外へ連れて行ってくれるのだった。
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