1章 夢×始まり

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1章 夢×始まり

「痛てて…」 また、"あの夢"を見た。 "あの夢"を見る時は絶対に頭が軋むように痛む。 それに、異常に汗をかくし何より涙が止まらない。 普通の人ならば涙が出ても全然おかしくないんだけど僕は違う。 僕は小学生のときに両親を亡くした。 そして、去年3歳上の姉さんが他界した。姉さんが死んだときを境に僕は記憶の一部と感情を無くした。勿論意図的に消し去ったわけじゃない。医者が言うには身内が他界したショックで感情を抑えてしまったらしい。 だから、僕が泣くのは、否、今の僕が泣くのは有り得ないはずなんだ。 そんな事を考えてるうちに僕の記憶は再び闇へと引きずり込まれた。 ジリリリリリ… 午前6時50分 神経を逆撫でするイヤな音が部屋中を翔る。 「ンム………ン…」いつもと同じ時間に目が覚める。 そして学校に行き帰って飯を食って宿題をして風呂に入って寝る。 いつもみたいに今日もそう過ぎると思っていた。 けど、彼女に出会ってしまった。 そして、僕等の止まってた時間(とき)が動き始める。
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