美沙子さんの呪い

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美沙子さんが申し訳なさそうに話しているのを見て 僕は笑った 腹がよじれるほど笑った 美沙子さんは涙ぐんで頬を膨らませていた 僕は何よりおかしかった 何年も怖れられていた 美沙子さんの"噂"も それを信じて追求する人たちも それら全部美沙子さんの一人遊びが原因だと知ってしまうと 全てが笑えてしまった そんなことを真剣に謝ろうとする美沙子さんも可愛いと思えた 僕は少し 美沙子さんのことを知ったような気がする それに僕はもっと彼女を知りたくなった その日は 美沙子さんの"噂"には興味なかった僕が 美沙子さんに興味をもった瞬間でもあった
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