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美沙子さんに手を引かれてたどり着いたのは
学校の裏にある山の中だった
そこから上へと登っていく
しばらく登って
美沙子さんは木々がおいしげってる中の光があるほうに指を指し、手招きをした
そこを覗くと
僕が住んでいる街が見下ろせる風景が広がっていた
今までずっとここに住んでいたけど気がつかなかった景色
美沙子さんはこれを見せたかったのか
美沙子さんを見ると
懐かしそうな横顔が見えた
「まさか、美沙子さんが生きている時の思い出の場所だったりして」
冗談まじりに言った
美沙子さんは顔色を変えない
「わからない。生きているときの記憶はほとんどないもの。何で死んだのかも…」
ぼくはなにも言葉がでなかった…
「ここにはなにも考えずにたどり着いたの。体が覚えてたってやつかな?実体がないのにね」
美沙子さんはクスクスと笑っていた
僕には本当に笑っているようには見えなかった
「彼を連れてく気なの?悪霊さん」
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