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言葉自体が冷気をまとっているかのような……
そんな底冷えするような声で山田は言った。
山田と呼ぶなとはどういう意味だ?
「じゃあなんて……」
「花子と呼べ。向こうの自分は好きではない。」
一瞬、電波系と思われても仕方ないようなことを言う山田。いや、花子。
向こうの自分って言うのは千年パズルやら何かを持っているのか、それとも妹を守るために死神代行となってしまったのか
そもそも妹がいるのかどうか。
様々な疑問が俺の中で交差する。
「なぁ山……花子。」
「私の名前だったな?まず、山田と言う名字だが……」
俺の言葉を強引に遮り、自分の名前を変え始める花子。
悪いが俺はそれどころじゃ無いんだが……
人間誰しも秘密を隠されたら気になるものだ。
その知りたいという欲は多い少ないはあるが、俺は断然知りたがる方だ。
「わかったか?山田と言う名字の忌まわしき十字架を取り払うことで名字は山口になるのだ!」
「なぁ、花子。」
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