もっと目立ちたい!

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目立ちたい。 そう俺は四六時中考えている。 黒い瞳に黒い髪、純日本人で髪は至って普通。 成績は中の中で、どの教科が得意かと聞かれれば社会と答える。 特に秀でているわけじゃないが 運動神経も平均で、特に足が速いわけでも無ければ、遅いわけでも無い。 データを見れば俺は完全に普通ってことになる。 おまけに名前は鈴木太郎。 親を恨むわけじゃないが、もう少し捻ってくれてもよかったんじゃないか? 名字の話は、えらく時代を遡らなきゃならないので抜きとしよう。 そんな俺の名前も、一文字違えば日本の大スターである。 実際は雲泥の差だが、俺にも誇れるものが一つだけある。 なんと今年の運勢は中吉だったんだ。 何がすごいかって、運勢で言えば中吉のくせに真ん中より上だろう? そんなくだらないことを思いながら俺はプリントを届けに職員室へ向かっていた。
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