もっと目立ちたい!

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時刻は放課後。 空は赤く染まり、肌寒くなってきた。 外では運動会系の目立つ奴らが汗水流し、泥に塗れている。 この時間帯になると全く日の当たらない、うっすらと暗い場所にそれはあった。 『目立ち隊』 扉には、掲示板で見たものと同じポスターが貼られていた。 思わず唾を飲む俺。 日頃おとなしく過ごしていたせいか、人見知りになってしまったようだ。 緊張する。 そんな汗ばんだ汚らしい手を拭こうともせず、俺はドアノブを握った。 そしてガチャリと捻り、押して中に入る。 あ、引くタイプのドアだった。 こういうのは大概押すタイプじゃないのか…… 何はともあれ、部屋に入るや否や俺の目に映ったのは 「ん?誰だ貴様……?」 ずいぶんと口の悪い女だった。 そいつは胸の前で腕を組み、窓からの光を浴びている。 なんだ……その……顔はカワイイ
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