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「答えろ。貴様は誰だ?」
カワイイ顔をした女は、見つめているというよりは睨み殺すような鋭い視線を俺に向ける。
睨み殺すってのは何かは知らないけども。
これ以上沈黙を続けていると、俺の身体が黒炎で燃えてしまいそうなので名を名乗ることにした。
「俺は一年三組の鈴木太郎だ……」
なんとも自分の名を言うのは嫌いだ。
偽名としても下手過ぎるだろう。
しかし女は疑う素振りも見せず、窓の外に目を向けた。
どうやら天照の餌食にならずに済んだようだ。
「そうか……貴様も平凡な名を手にしてしまったのだな。」
どこか悲しげな声で言う女。
そういえばコイツ……どこかで見たことあるぞ。
確か名は……山…山……
「山田……花子……?」
そうそう山田花子……って、ずいぶんと平凡な名前だな。
俺も人のこと言えた義理じゃないが。
「私を知っているのか?」
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