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「あー……。多分ですけど」
「はい」
「悪魔は嘘付きで天使は正直者だとされるでしょう? イメージ的には。人間は嘘も言うし本当も言う。それが必ずしも良いことなのか悪いことなのかは分かりません。覆い隠す嘘、知りたくない本当。きっとそんな感じですよ」
「よく分かりません」
「皮の向こうの肉の中、骨を砕いた神経の奥底。そこにある秘密が怖いから、恐ろしいし暖かいし汚くて掴みたいし――
――守りたいんじゃないですか?」
「……哲学は分かりませんが、私、感じたままに動いていいなら、これからは馬鹿って言われるくらい妹を愛したいと思います」
「それはいいですねー。堂々としたシスコン宣言です」
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