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すると、棚の上に置いてあった紫色のファックスが騒々しい機械音を出しながら紙に文字を写し始めた。
“佐藤法律管轄近辺にて針女目撃情報有り”
「あぁ…とうとうここらへんまで来たか。」
佐藤が紙をくしゃくしゃにしてゴミ箱に捨てた。
「針女って?」
佐藤はなにやらあわただしく準備をしながら、
「最近男ばっか狙った連続殺人事件あっただろ?
あれ、その針女っていう妖怪の仕業。」
と、しらっと答えた。
「本当?(@_@)」
「うん。
現場に残ってた髪の毛の先が鉤爪みたいになってることが証拠。」
「あなた本当に寝てた…?」
「45年間寝てたよ。
でも魂は動くからね。」
「……そうなんだ…」
真奈がソファーにどかんと座った。
「そーいえば、僕ばっか身の上喋って…君の名前をまだ聞いてない!」
佐藤が大げさに、怒った素振りをみせた。
「あっそうか!
ごめんなさいm(_ _)m
私は高村真奈。
ピチピチの17歳よ。」
真奈は立ち上がりスカートの両端をもって、お嬢様のようにお辞儀した。
「真奈ちゃんね。
よろぴこ。ちなみに僕が天上使になったのも17歳の時、今の姿だよ。
というのも天上使は天上使になった時の容姿から一生変わらないんだ。」
「へ~~うらやましいわね~」
二人が談笑していると、
「コラァ佐藤!はよ仕事に行かんか!!」
天狐じいが怒った。
「おっといけねぇ。
じゃあいきますか、“助手”の真奈ちゃん。」
佐藤は微笑んだ。
「はぁ?助手?」
「そう。俺起こしたからには働いてもらうよ!」
この時から高村真奈は佐藤法律の助手となった。
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