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「さぁ~~~~って…
針女はいずこ~~」
佐藤は伸びをしながら警察署を出て三山高校の屋上へ出た。
そして街を展望できる場所まで来て、フェンス越しに街を見渡した。
しばらくの沈黙の後、佐藤のあとを追って出てきていた真奈の方を振り返り、
「針女…ありがたいことにこの学校の中にいるね。」
とニコッとした。
そして屋上から降りる階段に向かいながら続けた。
「数ヶ月前とかに編入生とか来なかった?」
真奈は佐藤についていきながら考えた。
「…!
いた!吉田 可憐(よしだ かれん)。
可愛いから男子からなかなか人気あるのよ。」
「そいつだ…」
佐藤は笑った。
「真奈ちゃん、北側の校舎内を探して。
俺は南側を探すから。
んで、もし見つけたら、変な気は起こさず、心ん中で俺の名前を呼び続けて。
わかった?」
「え!?私も探すの!?ちょっと…危険じゃない?
相手は何人も殺してる殺人鬼なわけだし…」
「なこと言ってもちゃっかり着いて来てるんだ。
本当はやりたいんでしょ?
大丈夫だーよ俺が守るから。命懸けでね。
(b^ー°)」
佐藤は悪戯な笑顔で言った。
そして、真奈は北側校舎、佐藤は南側校舎に別れ、針女捜索へ向かった。
「吉田…実は…俺、お前のことが好きだ。付き合ってほしい。」
夕日に照された橙色の教室に1人の男子生徒と吉田可憐がいた。
吉田は長いストレートの茶髪に赤縁眼鏡でとても清楚な感じだった。
「木村君……
一つだけ、聞いていい?」
「もちろんだ!何?」
「私に命懸けてくれる?」
木村はふぅと息を吐いた。
「もちろんだよ。たとえどんな障害からも僕は君を守る。命懸けでね。」
木村がそう言い終わるのと同時に吉田は木村に抱きついた。
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