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真奈は数学の忘れものを思いだし、自分の教室がちょうど北側校舎なので、ついでに取りにいった。
北側校舎、3階、2‐4。
真奈は自分の席の机の中でミステリーツアーをしていた。
ゴソゴソゴソ…
ゴソゴソゴソ…
ゴソゴソゴソ!!!!
「あった!!
……ちょっと整理しないとね…」
真奈の机の中はこれでもかというほどプリント類がめちゃくちゃに詰め込まれていた。
すると、騒がしい足音と共に、同級生の木村 良太(きむら りょうた)が走ってきた。
木村の顔は血の気がなく蒼白していた。
足もフラフラしていて、今にも盛大に転んでしまいそうであった。
バターーン!!!
やはり。
木村は崩れるように転んだ。
肌と廊下が擦れ、なんとも不快な音を出す。
「木村君!?」
真奈はすぐに教室から出て、小刻みに震えながら、もがくように前に進もうとする木村のもとに駆け寄った。
木村の顔は恐怖からか歪み、顎の下に何かで引っ掻いたような傷があった。
「木村君!何があったの!?」
木村は口をパクパクさせ、なんとか喋った。
「よっ……よし、だ……吉田はば…化け…物だっ………」
吉田。
それを聞いて真奈の鼓動が急激に速くなった。
やはり…吉田 可憐は…
針女ということだ。
「木村く~~~ん?
あれ?一緒にいるのは………ああ!!高村さんだ!」
吉田がやってきた。
楽しそうに身体を左右に揺らしながら。
そして髪の毛も逆立ち、自由にダンスしていた。
その異様な姿と殺気に真奈は戦慄した。
《佐藤法律!!!!!》
真奈は叫んだ。
心の中で。
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