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────カチャ。
…バタン。
ガリガリガリガリ…クチャ、クチャ…。
血のこびりついた靴が部屋に響く。
龍哉は三番目の部屋へと入った。
先ほどと同じく、右手に握った長剣は、だらしなくたらした腕の先から地面を這っている。
「………」
そしてこの時もうすでに龍哉は何も言葉を発しなかった。
ただただ、長剣を引っ提げ歩く。
「………」
それからまたも同じ光景、三枚の扉にたどり着く。
「…三度…目……」
たったそれだけの言葉を絞り出すようにして口から発す。
その目は虚ろだった。
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