学校生活⑥

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「んで、どう付き合うとかさ、正解はないんじゃないかな、」 「正解がないって、気持ち悪くね?数学みたいにさ何が正解かっていう答えがあればいいのに。」 「あのねぇ、そんなのあったら面白くもなんともないじゃん。それに全部が当てはまるなんて有り得ないでしょ。」 「だって間違えがそのまま間違えとして進んでいくのはどうなの。やり直しなんて効かないじゃん?再テストでもない限り。」 「そんなの、いくらだってやり直せるでしょ。間違ったっていいんだよ。それに一人で答えを出して進んでいくのは間違えだよ。これからは一人じゃなくて二人なんだよ。そこを間違えたら、だめだろ?」 俺の言葉にはハッとしたような表情。そして何度か頷く。そんな様子に俺も一安心、俺は絶対にそこは間違ってはいけない部分だと思う。一人で考えて相手を振り回すのは「付き合う」ではない。だから、戸惑いはもちろんわかるけど、それは俺に聞くべきことでもないんだろうな、とも思う。 「いいじゃん、そんな焦って答えを出すことでもないんじゃね?洋太と梓二人で探せば。俺や潤の言葉を、二人のやり方に生かせるとは思わないよ。俺たちのペースがあるように、洋太たちにもペースがあるでしょ。」 「ん、だな」 納得したように頷けばもぐもぐと食を進め始める洋太には俺もそれに習う。もしかしたらこの質問をしたいだけに連れ出したのかな、なんて思ったけど。それは俺の思い違いだったようで。 「あとさ、お前らもうヤった?」 「ぶっ!?」 飲み物を飲んでいた俺は盛大に吹き出して咳き込む。大丈夫かよ、と背中を叩く。そんな発言をした洋太は別に恥ずかしくもなんともないと言わんばかりの表情で俺を見る。むしろなんか変なこと言った?的な表情を浮かべているのがちょっと腹立たしいほどに。 「おま、TPOを弁えてくれよ、頼むから」 「いや、だから、声のトーンは落としたろ。お前の声が大きいんだよ」 「いやいや、タイミングおかしいだろ、さっきはなんかマジで恋する男の子的な感じだったのに」
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