ごめんなさい。

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私が大学2年生の春でした。 父に連れられて家にきた貴方。 優しく微笑みかけて下さいましたね。 単純ではありますが、その笑顔を見た瞬間貴方を好きになってしまいました。 貴方が次はいつ家にくるのか、いつも楽しみにしていました。 ときには待ち切れず、父に問い掛けたりもしました。 私と貴方の接点は父しかありませんでしたから、父に貴方のことを聞いたりもしました。 嬉しかった。 家に来たときに優しく接して下さることが。 楽しかった。 貴方のことを少しでも知ることが出来て。 そんな私を見て、父は問いました。 彼が好きなのか? と…。 私は正直に答えました。その通りでしたから。 この一言が、私の人生を…、いえ、彼の人生を大きく変えてしまうなんて思わなかったのです。 ただ素直に答えただけ… この会話から数日後。 彼は私の許婚になりました。
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