政略結婚

ごめんなさい。

私は喜びました。彼と結婚出来ることに。

父はそれなりに大きな会社の社長で、私は一人娘。
いづれは父の決めた人と、会社をついでくれる人と結婚することを覚悟していました。

なので、許婚が彼と聞き嬉しかった。
ホントに好きな人と結婚出来るのですから。

それからは父に言われるままにお食事に行ったり、舞台を観に行ったりしました。

楽しかった。本当に楽しかったです。

でも、今考えると私だけ楽しんでいたのかもしれません。

幸せだった。彼のそばにいられて。気持ちを隠さず彼を愛すことが出来て。彼に愛されて。

そう、私は彼に愛されていると思っていました。
私が彼を愛している気持ちと同じぐらいに…。

彼が知らない女性と歩いているところをみるまでは…。