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「たっだいまぁ~……っと」
「あらお帰り、今日は早いのね」
学校から帰り、自分の部屋へ行く途中台所に居た母親に声を掛けられる。
「あぁ、今日は特に何もなかったから」
そう返しながら階段を上ると自分の部屋へと戻り、持っていた鞄をベッドの上へと投げた。
彼の名は『東宮 桜(とうぐう さくら)』と言い、近くの公立高校に通う二年生だ。
桜は特に部活動をやってると言うわけではないのだがそこは高校生、友達と喋っていたりすれば自然と帰りは遅いものとなる。
「えーと、今日はなんか面白いテレビあったかな……」
制服から着替え終えるとベッド上にあったリモコンを取って代わりに座る。
適度なスプリング感を感じながら、桜はテレビを点けた。
「……特に面白いものはなさそうだな……」
時計を見れば面白い番組が始まる時間帯であろう七時にはまだ時間がある。
どうせ夕飯までにはまだ時間が掛かるだろうと近くにあった雑誌を手に取った時、室内には軽快な音楽が鳴り始めた。
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