-始まり-

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  「んあ? 誰だ?」  制服から着替えた時に机の上に置いた携帯へ近付くと不意に目に入ったのは一つの封筒。  こんな封筒あったか?  そう思いながらも桜は一旦携帯を取ると画面を開き、そこに表示されていた名前を確認した。  するとそこに表示されていたのは晴夏と言う名前。  晴夏とは『東雲 晴夏(しののめ はるか)』と言い、桜のクラスメイトである女子だった。 「はいもしもし?」 『あ、桜? あのさ、今大丈夫?』 「おー大丈夫だぜ。どうしたんだ?」  桜は封筒を手に取ると携帯を耳に当てながら先程まで座っていたベッド上へと戻る。  相変わらずテレビ画面はニュース番組を映し出しており、桜は邪魔な音を消す為に用のないテレビを消した。 『あのさ、なんか変な手紙が来てて……それがちょっと怖くてさ』 「手紙?」  ふと、自分の持つ封筒へと意識が向く。  表を見れば受取人である自分の名前が。  裏返してみればそこには差出人の名前がある───と思っていたのだが、残念ながらそこには何も書いていなかった。  
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