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「……晴夏、俺にも来てたよその手紙……」
『え!? 嘘ホント!? じゃあカードとかも入ってるの?』
「あ、俺まだカード見てねぇや」
晴夏の言葉に桜はまだ同封されている筈のカードを見てない事に気付いた。
一旦紙を置き、封筒を逆さまにするとヒラリとカードが舞い落ちる。
「……何も書いてないな」
カードを拾い、裏返しても絵柄はなくマークも数字もない。
大きさ的にはトランプだが両面白紙なら別の事に使うのではないか?
『でもさ! これなんだと思う? 新手の悪戯?』
「悪戯って……何の為の悪戯なんだよ。こんなん意味ねーだろ」
そう、余りにも意味不明すぎて悪戯にさえなりえてない気がする。
時計を見れば時刻は七時一分前。
(そう言えば説明とかなんとか書いてなかったか……?)
桜はもう一度時間を確認しようと紙を手に取った。
説明を開始すると言う時間は七時。
他に何かないのかと手紙を読み進めていく内に秒針は時間を刻んで行き───
そして、十二の数字と重なった。
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