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瞬間、砂嵐が起きたかの様に突然視界が塗り替えられていく。
余りにもあっという間だったその現象は瞬きをして目を開けた時には終わっていたが、だが決定的に何もかもが変わっていた。
「どわっ!」
ベッドに座っていた筈なのに突然ベッドは消え、桜は尻餅をついてしまった。
確かに自分の部屋に居た筈なのに、目の前の景色は見た事がない。
明るかった部屋も暗くなり、窓から見える景色も夜を示す月が見える。
桜の部屋にある窓から月は見えなかったし、窓の形だって違う。
一瞬夢でも見ているのかと思ったが、右手には携帯が握られていた事からそれはないと言う結論に至った。
「なんだよ、一体どうなってるんだ!?」
「俺、今まで学校に居た筈なのに……」
他にも人が居るのか聞こえてくる声はどれもが困惑した声ばかり。
しかしその気持ちが桜にも分かる、ひとまず桜も状況を確認しようと立ち上がった時後ろから声が聞こえてきた。
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