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「桜!?」
後ろを振り向けばそこには今まで自分が電話をしていた人物、晴夏の姿。
晴夏もその手には携帯が握られていたのだからそれは間違いないだろう。
「晴夏……? お前、なんでここに……」
「それを言うなら桜こそ!」
「俺は気付いたらここに居た」
「あたしもだよ……ここ、一体何処なんだろう……?」
そう言って晴夏が辺りを見回せば釣られる様に桜も辺りを見回す。
すると暗いせいで顔までは良く見えないが、どうやらこの部屋には合わせて五人の人間が居るらしかった。
誰もが戸惑い、動けないでいると突然放送直前の軽い雑音が流れる。
音がしたであろう上を見れば、そこには見え辛いが確かに一つのスピーカーが見えた。
『えー……こんばんは、ゲーム参加者の皆さん。少し遅れてしまってごめんなさい』
聞こえてきた声は自分と同い年の様に思えた。
しかし、今はそれよりも今の状況を理解する方が先決と皆が示し合わせた様にただ静かに黙っていた。
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