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いつもそうだ。こいつは不意に俺を襲う。しかも、だいたい悪い事の前に来やがるからたちが悪い。そう、そいつの名は腹痛。
「あぁー腹痛てぇ。」
くそじじいに会ってよかったためしがない。立っていた扉の前からくるりと反転し自分のバイクに向かう。
「いいぞ~。だんだん治ってきやがった。帰りにラーメンでも食い…」
と言いかけたところでバタンと扉が勢いよく開く。その音に反応して振り向いた瞬間鼻先を何かがかすめ3メートル後方の地面にささった。俺はふつふつと煮えたぎる事をやめない脳みそに従い叫ぶ。
「振り向き様にナイフなげるじじいがどこにいるよ!あぁん!?」
「ぶぁかもん!玄関先まで来て帰るやつがどこにおる!これはその罰じゃ!」
いや、この人にとって罰とは処刑の事なのかと頭でツッコミを入れながら仕方なく家の中へと入って行く俺。
「まぁ座れ。茶でいいかの?」
そう言って茶を出すクロス。
「んで話って?」
すぐにでもこの空間から逃げだしたい俺はなんの前振りもなく本題に入る。
「久しぶりに会ったと言うのにいきなりそれか……まぁいい、ここに軍への推薦状が「いやだ。」」
「………まだ話の途中じゃろうが!」
やっぱりその話かとうなだれる俺に対しさらに話を進めるくそじじぃ。自分勝手にも程がある。
「お前がそう言うのはわかっておったからの。明日軍の方が迎えに来るから準備よろしく。」
うん、自分勝手にも程がある。
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