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強引にお爺さんに外にほっぽり出された桃太郎は露骨に嫌な顔し、地べたに座り込ました。
「……チッ。
爺の奴、俺に何を求めてやがる」
文句を言いながら一服しようと腰を触りました。
「何だこれは……」
いつの間にか自分の腰に下げられていた袋を見て桃太郎は首を傾げました。
中をあけるとそこにはあの『きびだんご』が入ってました。
「婆め、余計な事を……」
そう言いながらもお腹の空いていた桃太郎はきびだんごを早速食べようとしました。
が、その時……。
シュッ!
桃太郎の前を何かが凄い勢いで通過しました。
「!?
ない!
俺の大好きなきびだんごがない!」
手に持っていたきびだんごが一瞬にして消え去りました。
大好物だった故に桃太郎は激しく取り乱しました。
「きびだんごならここだZE~。
返してほしけりゃ俺っちを連れて鬼が島へ行けYO~」
木にぶら下がりながらサングラスをかけたファンキーな猿が桃太郎に話し掛けてきました。
「盗猿め!
お前、それ脅迫だろ?」
木の上の猿を桃太郎は睨みつけまともな事を言いました。
「お前に言われたくないYO~」
桃太郎の言葉に猿は透かさず突っ込みを入れました。
「猿公!
お前、鬼が島で何がしたいんだ?」
桃太郎は単刀直入に尋ねました。
「鬼を倒し一躍有名になりたいんだYO~。
それでYO~帰ってきたらハーレムっワケYO~」
一々ポーズをとりながら猿は説明しました。
「ミーハーなお上りさんじゃないか」
猿の無茶苦茶な理由にさすがの桃太郎と苦虫をかみつぶしたような顔をしました。
「……というワケでこに人質……いや、きびだんご質と引き換えに仲間になってやるZE~」
こうして猿は半ば?強引に桃太郎の仲間になりました。
ちゃっかりきびだんごを一つ抜き取り、残りをそっと桃太郎に返しました。
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