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と、反応の鈍い自分に苛立ちを覚えたのか
「何が、じゃないっ!おまえ物凄いうなされて、寝言で急に叫んだりするわで、落ち着かないんだよっ。寝るなら静かに寝ろっ」
彼の怒声が二人しかいない文芸部室ではより耳に響く。その声で覚醒すれば、目の前で文句を口にする彼は自分がよく知る彼だった。
あれは幻だったのだろうか。
「ああ…、それは…すいません…昔の夢を視ていたものですから。……昔の夢を視ると、大体うなされてしまうようで・・・・・」
まだうまく回らない口で弁解の言葉と共に笑おうとしたが、顔は強張って引き攣った顔しか作れなかった。
自分が思っているよりも、夢への影響を引き摺っている。
「最近はまったく視てなかったんですけど…」
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